【解説】物流GXとは?|GXとDXで推進する新時代の物流戦略
はじめに
こんにちは。ロジきむです。
2020年10月に「2050年カーボンニュートラル宣言」が政府より発表され、
2023年5月には「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)」が成立しました。
地球温暖化による気候変動問題など、世界的な潮流となってるカーボンニュートラルを達成するためにも、GXへの注目が高まっています。
本記事では、GXとDXの推進について取り上げています。
GXに興味がある方の参考になれば幸いです。
GX(グリーントランスフォーメーション)とは
GXとは、Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)の略称です。
化石燃料からクリーンエネルギー(※)中心の産業構造に転換し、経済社会システム全体を改革していく取り組みを指します。
※ CO2をはじめとした温室効果ガスを排出しない、または排出量を抑えたエネルギーのことです。太陽光、風力、地熱、水力、海洋、バイオマスなどから作られるエネルギーを指し、再生可能エネルギーとほぼ同義で使用されています。
GXとカーボンニュートラルの違い
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引いて、全体としてゼロにする活動です。
GXとカーボンニュートラルはどちらも脱炭素社会を築くための取り組みなのですが、
カーボンニュートラルは、企業や製品を生み出す際に発生する温室効果ガスの排出量をゼロにすることを目的としています。
GXとDXの推進
温室効果ガスの削減や環境問題に取り組むGXには、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が欠かせません。
DXとは、デジタル技術を活用して自社のビジネスモデルや業務プロセスを根本的に変革し、新たな価値を創出する考えのことです。
GXも環境問題への積極的な取り組みを通して、経済社会システムの変革を目指しています。
例えば、DX推進により、デジタル技術を活用したペーパーレス化における資源の節約や、IoT,AIなどの技術を活用した自動化・省人化によるエネルギー利用料の削減が、GXに繋がります。
物流GXについて
物流GXの推進としては、以下があげられます。
①鉄道・内航海運の輸送力増強等によるモーダルシフト
②車両・船舶・物流施設・港湾等の脱炭素化(省エネ化・EV化など)
③物流分野における電子データ交換(物流EDI)による業務効率化
④物流拠点におけるシェアリング
①鉄道・内航海運の輸送力増強等によるモーダルシフト
モーダルシフトについて、以前のコラムでご説明しているのでよろしければご覧ください。
【解説】モーダルシフトとは?しくみと導入時のメリット・デメリット
②車両・船舶・物流施設・港湾等の脱炭素化(省エネ化・EV化など)
電気自動車の促進や物流倉庫の省エネ化による脱炭素化に対する取り組みを支援する。ドローン配送の導入により、物流の無人化/省力化およびCO2削減に繋がります。
③物流分野における電子データ交換(EDI:Electronic Data Interchange)による業務効率化
企業間の取引に用いる契約書・納品書・請求書などを、インターネットや専用の回線を通して電子データでやり取りすることにより、資源の節約や業務の効率化に繋がります。
④物流拠点におけるシェアリング
効率的な物流ネットワーク活用に向けて、倉庫のシェアリング(マッチング)を促進することにより、物流倉庫(空きスペース)を有効活用し、配送ルートを集約化することでCO2削減に繋がります。
物流DXの導入事例
物流DXや物流DXの導入事例については、以下で取り上げていますので、よろしければご覧ください。
【解説】物流DXとは?(前編)|DXが必要とされる背景と物流DX
【解説】物流DXとは?(後編)|DXが必要とされる背景と物流DX
おわりに
今回はGXとDXの推進について紹介しました。
脱炭素社会への移行は、世界共通の課題です。
企業がGXを推進すれば、クリーンエネルギーの利用率を高めてCO2排出量を抑え、電力コスト削減することに繋がります。
GX(温室効果ガスの排出量を削減し、クリーンエネルギー中心の社会へと変革する取り組み)の推進にはDXの推進が欠かせません。
本記事が、GX推進を考える機会になれば幸いです。
システムズは、長きにわたり物流業務に携わってきた経験を元に、お客様の現場へ伺い、今直面されている運用課題に対する解決策をご提案いたします。
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