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【茨城地区活動紹介】IoT研究会②

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2022.7.6(更新日:2022.10.12)

はじめに

本シリーズでは、茨城地区で独自に行っている「IoT研究会」という活動を2回に分けて紹介します。
第2回目の本記事では、IoT研究会で開発したシステムのなかから「環境情報取得系」のシステムについて紹介します。

第1回目の記事では、IoTとは何か、IoT研究会がどのように発足されたのかについて、また、開発システムの一部を紹介しましたので、ぜひご覧ください。

第1回目の記事はこちら
【茨城地区活動紹介】IoT研究会①

開発システム紹介

IoT研究会では、例年、小型ボードコンピュータ「Raspberry Pi」にセンサーやモジュールを取り付け、センサーやモジュールから取得した情報をPCで閲覧するシステムの開発を行っています。

2016年、2017年、2018年、2021年は各年度1つのシステムを開発、2020年は新人3人がそれぞれ異なるシステムを開発しました。

これらのシステムを「画像撮影・解析系」と「環境情報取得系」の2つのカテゴリに大きく分け、本記事では「環境情報取得系」のシステムについて紹介していきます。

前回記事では、「画像撮影・解析系」のシステムを取り上げていますので、ぜひご覧ください。それぞれのシステムについて、下記の内容に沿って説明します。

 ①システム仕様 :使用したセンサー、センサーからの取得内容、PCに表示させる内容など
 ②活用システム案:作成したシステムを実際にどのように活用できるか、また、活用するために克服すべき課題は何か
 ③担当メンバーの所感:このシステムを開発した理由、また、開発を終えての感想
 ④構成図:システム構成を図で表したもの

カテゴリ:環境情報取得系

開発システム 環境情報取得系

2017年 稲の収穫時期予測システム

①システム仕様
稲の生長記録・収穫時期の予測を行うことを目的として作成した。
温度センサーを使用して取得した気温から積算温度を算出し、積算温度を表またはグラフとしてPCから閲覧ができるシステム。

※積算温度とは
 毎日の平均気温を合計した値で、作物の生育の目安になる数値のこと。
 積算温度を使用することで、稲の発芽や収穫の時期を予測することができる。

②活用システム案
カメラモジュールをラズパイに取り付け、撮影した写真から稲の長さを計測する。
積算温度と稲の長さの両方を活用することで、収穫時期の予測の精度をさらに高め、稲の収穫時期予測システムとして活用する。

 課題: 長さ計測は画像認識を使用することで実現可能だが、技術的難易度が高い。
しかし、2020年・2021年のIoT研究会の画像撮影・解析系のシステムでは画像認識技術を活用しているため、その技術と組み合わせることで、長さ計測を実現できるかもしれない。

③担当メンバーの所感
収穫時期の予測をシステムによって行うことができれば、農業の専門的な知識に乏しくても農業を始めてみようとする人が少しでも増えるのではないかと思い、本システムを開発しました。
初めての開発ということもあり、うまくいかないことばかりで心が折れそうになる毎日でしたが、積算温度のグラフを表示できたときは感無量でした。

④構成図

稲の収穫時期予測システム 構成図
2018年 田畑モニターシステム

①システム仕様
・人感情報、測距情報、水分情報の3つのデータを収集し、PCから閲覧ができるシステム。

 人感情報:超音波距離測定センサーを使用し、人を察知した場合にその日時を記録し、表として表示。
 測距情報:同じく超音波センサーで10分毎に物体とセンサーの距離を取得し、表として表示。
 水分情報:水分センサーを使用し、土壌の水分値を1時間毎にし、推移を折れ線グラフとして表示。

・無線通信機能を搭載したシステム。
ラズパイに無線通信機を取り付け、中継機を介し、取得したデータを離れた場所にあるPCにリアルタイムで表示させることを実現。

②活用システム案
田畑に超音波距離測定センサーと水分センサーを設置し、無線でPCにデータを送信することで、自宅に居ながら田畑の状態が分かるシステムとして活用する。

 課題 : 無線機の場所、障害物、他の通信機器の電波状況などによって、無線通信の電波状況が大きく変化してしまうため、安定した通信環境の模索が必要。

③担当メンバーの所感
2017年までの研究内容をさらに広げようということで、このテーマになりました。
今回使用した通信機や中継器を使用した無線通信について、資料や前例をなかなか見つけることができず、無線通信方法の模索に苦労しました。

④構成図

田畑モニターシステム 構成図
2020年 温湿度計測システム

①システム仕様
温度センサーを屋外に設置し、屋外の気温を測定する。
温湿度センサーを屋内に設置し、屋内の気温と湿度を測定する。
気温と湿度に分けてグラフ化し、PCから屋外気温と社内環境の閲覧ができるシステム。

②活用システム案
ペットや子ども・高齢者のいる部屋に温湿度センサーを設置し、家の外から部屋の環境をチェックするシステムとして活用する。

 課題 : 出先からスマートフォンで部屋の環境を確認できるよう、改造が必要。

③担当メンバーの所感
社内の冷房が効きすぎているのではないかというところから、外気温と比較して冷房の設定温度を決定出来るようにしたいと思ったため、このテーマにしました。
ネットワークが上手くつながらないときがあり、DBへセンサーから取得した値を入れる処理に苦心しました。

④構成図

温湿度計測システム 構成図
2020年 COモニターシステム

①システム仕様
喫煙室にガスセンサーを設置し、喫煙室内の煙量と、煙に含まれる一酸化炭素量を測定する。
一酸化炭素の量が安全な範囲を超えていないか、PCからグラフで閲覧ができるシステム。

②活用システム案
・ビニールハウスにガスセンサーを設置し、温室効果ガスの量を測定する。
 温室効果ガスが植物が育ちやすい量で保たれているか確認するシステムとして活用する。

・病院にガスセンサーを設置し、院内の二酸化炭素量を測定する。
 一定の二酸化炭素量に達した際に、換気を促すシステム。

 課題 : 適切なセンサーの設置場所、温室効果ガスや二酸化炭素の平均算出方法について検討が必要。

③担当メンバーの所感
社内にガスセンサーがあり、たまたま喫煙室が目に入ったのでCOモニターシステムを作りました。
センサーの仕様書を読んでセンサーの抵抗値を設定したり、センサーから取得した値の較正処理を考えたりと経験したことが無いことばかりで大変でしたが、楽しかったです。

④構成図

COモニターシステム 構成図

おわりに

茨城地区のIoT研究会の取り組みについて、2回にわたって紹介しました。
IoT研究会はこれまでの成果をさらに発展させるべく、今後も活動を行っていきます。
本シリーズを通して、IoTや茨城地区の活動について興味を持っていただければ幸いです。