ブラックボックスはなぜ生まれるのか?──レガシーの“見えなさ”に挑む【レガシー侍】

目次
「魂には眼がある。それによってのみ、真理を見ることができる。」
― プラトン
レガシーシステム最大の敵「見えなさ」
「この処理って、どこから呼ばれてるんでしたっけ?」
この一言から、会議室が静まり返る──。
そんな経験をしたシステム担当者は多いのではないでしょうか。
レガシーシステムの本質的な問題は、“古い”ことでも、“技術的に限界”なことでもありません。
最大の敵は、「見えない」こと。
・どこで何が起きているか、わからない
・誰が、どんな意図で、いつ改修したのか不明
・修正がどんな影響を与えるのか掴めない
それはまるで、“動いてはいるが全貌の見えない巨大生物”を相手にしているかのようです。
現場には次第に、「とにかく触らないでほしい」という心理が広がっていきます。
「誰も全体像を知らない」──運用現場のリアル
属人化とは、裏を返せば“その人だけが知っている”ということ。
その人が退職した瞬間、企業は「業務ロジックを丸ごと喪失」します。
・過去の設計書は古すぎて役に立たない
・Git に履歴がない(そもそも使っていない)
・一部の処理は、“伝説”として語られるだけ
私たちは多くの現場で、“記憶喪失状態のIT”と向き合ってきました。
それでも業務は止められない。
では、この“ブラックボックス状態”から抜け出す術はないのでしょうか。
設計書なき時代、継承は幻想か?
「AIでアプリが作れる時代」と言われる一方で、
「過去コードを読めるようにする」作業だけは、いまだに人手頼りです。
・どの処理がどこに影響するのか
・このバッチはどのテーブルを更新するのか
・業務上の重要な判断条件はどこに書かれているのか
これらの問いに答えるには、、“人がコードを読み、理解し、まとめる”以外の方法がなかったのです。
しかし今、この常識が変わりつつあります。
Re:structure AI が開いた、新しい継承のかたち
近年、生成AIの技術を活用して「システム構造を機械的に読み解く」アプローチが登場しています。
その中でも注目されているのが、株式会社システムズが提供する「Re:structure AI」です。
このソリューションは、ブラックボックス化したシステムを、AIで解析し、可視化・構造化・ドキュメント化するという、まさに「見えなさ」への挑戦です。
🔎Re:structure AI の主な特徴:
自然言語で聞ける可視化エンジン
「この改修の影響範囲は?」などの問いにAIが即時回答。
ソースコードからの自動ドキュメント生成
最新仕様を常に資産化し、属人性を排除。
大規模・複雑システムへの対応実績
RAG技術を応用し、数百万行規模のコードも解析可能。
ZoomIn機能・Chatインターフェース
全体像、詳細仕様まで、“聞けば見える”体験を実現。
もはや、「誰も知らないシステム」は、「誰でも知れるシステム」へと変わりつつあるのです。
これは、技術継承のハードルを劇的に下げる大きな転換点と言えます。
おわりに:記憶を失わない技術こそ、未来の基盤
私たちレガシー侍が目指すのは、「過去を壊す」ことではありません。
「未来へ渡せる形に読み解き、整えること」です。
その意味で、Re:structure AI のような“技術を翻訳するツール”の登場は非常に心強い味方です。
DXやモダナイゼーションの第一歩は、派手なUI刷新でも、新しいフレームワークの採用でもありません。
まずは、今そこにあるレガシーを“見えるように”すること。
レガシーを読み解くことこそが、未来を設計する唯一のスタートラインです。
📍次回予告|Vol.5(予定)
「捨てない会社はなぜ強いのか?──レガシーを活かす経営の視点」
経営戦略としての“捨てない選択”が企業に何をもたらすかを考察します。





