【AWS re:Invent 2024参加レポート】キーノートまとめ
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はじめに
ソリューションアーキテクトの大本です。
私自身は今回のAWS re:Inventが初参加となりますが、非常に大きな会場ですべてが壮大でとても圧倒されました。
その中でもキーノートによる基調講演では開始前にDJやバンドなどが会場を盛り上げており大変豪華な講演となっていました。
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毎度re:Inventでのキーノートでは多数の新規サービスやアップデートが公開されるため、今回はそちらで発表された内容についてまとめます。
※まだ正式リリースでないサービスや機能に関しては(Preview)と表記しています。
EC2
・Trn2インスタンス
MLトレーニングと推論のための強力なEC2インスタンス。
MLトレーニング向けのカスタムチップ「AWS Trainium2チップ」を16個積載。
従来型のP5eやP5enインスタンスよりも30~40%優れた料金パフォーマンスを提供。
現在オハイオリージョンで利用可能。
・Trn2 UltraServer (Preview)
4個のTrn2インスタンスからなるUltraServer。
低レイテンシーかつ広帯域を実現。
S3
・Amazon S3 Tables
分析ワークロードに最適化されたストレージサービス。
Apache Iceberg形式をサポートし、表形式データを大規模に保存することを効率化。
汎用S3バケットと比較して最大3倍のクエリパフォーマンスと最大10倍のトランザクション/秒を実現する。
・Amazon S3 Metadata (Preview)
S3バケット内に保存されたファイルにメタデータ(付加的な情報)を付与して効率的に管理するサービス。
例えばファイルに対して製品IDや顧客情報を付与することでそれらの情報をクエリして簡単に追跡可能となる。
データベース
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・Amazon Aurora DSQL (Preview)
無制限スケール可能なサーバーレス分散SQLデータベース。
3AZ構成でActive/Activeの単一クラスタを提供し、マルチリージョン構成では99.999%の可用性を提供。
・Amazon DynamoDB global tables
マルチリージョンによる強い整合性。
常に最新のデータを取得できる強固な一貫性。
Bedrock
・Amazon Nova
Amazonが開発した新しいAI基盤モデル。
他社の基盤モデルに対して高い性能を持ち、コストパフォーマンスでも75%優れている。
利用用途に応じて複数モデルから選択可能。
- Amazon Nova Micro:最も安価で低遅延。マルチモーダル非対応。
- Amazon Nova Lite:マルチモーダル対応の最も手軽なオプション。
- Amazon Nova Pro / Premier:マルチモーダルかつ高い能力を備える。
- Amazon Nova Canvas:最新の画像生成モデル。
- Amazon Nova Reel:最新の動画生成モデル。
・Amazon Bedrock Model Distillation (Preview)
教師モデルと呼ばれる大規模な基盤モデルをベースに生徒モデルと呼ばれるより小規模な基盤モデルをチューニングすることで、生徒モデルの高速化やコスト減少を実現できる。
・Amazon Bedrock Automated Reasoning (Preview)
自動的に推論チェックを行い、出力された内容の事実との誤りを防ぐ。
これにより、出力は既知の事実と一致し、偽造されたデータや一貫性のないデータに基づかないようになります。
・Amazon Bedrock multi-agent collaboration (Preview)
複数モデルを管理し調整して使用してくれる機能。
調整役のエージェントが情報を交換しながら複数モデルの最終的なレスポンスを統合。
・Amazon Bedrock Marketplace
IBMやNvidia含む、100以上の基盤モデルへのアクセスを提供。
・Amazon Bedrock supports prompt caching (Preview)
頻繁に使用される処理をAPI側でキャッシュする機能。
これにより、モデルへのリクエスト回数を削減し、コストを最大90%、レイテンシーを最大85%削減。
・Amazon Bedrock Intelligent Prompt Routing (Preview)
処理の複雑さに応じてより適切な基盤モデルにルーティングし、品質とコストを最適化。これによりコストを最大30%削減可能。
・Amazon Bedrock Data Automation (Preview)
ドキュメント、画像、音声、動画などから価値ある情報を抽出する機能。
例(ビデオ要約、不適切な画像コンテンツの検出、ドキュメントの分析など)
・Amazon Bedrock Guardrails Multimodal toxicity detection (Preview)
危険なコンテンツの検出機能。
機密情報、個人情報のブロックやマスク。
差別、暴力等の単語やフレーズをフィルタリング。
Amazon Q
・GitLab Duo with Amazon Q (Preview)
新機能アイデアからマージ可能なコード生成、ユニットテストの自動生成、セキュリティレビュー。
・Amazon Q DeveloperがAWS環境の調査に対応 (Preview)
AWS環境やリソースを調査し、何か問題が起こっているか?問題を解決するための次のアクションの提示を対応。
・その他アップデート
- Amazon Q Developerでコードレビュー、ドキュメント生成、ユニットテストをサポート。
- .NETアプリケーションのコード変換をサポート (Preview)
- メインフレームアプリケーションの変換をサポート (Preview)
- VMwareワークロードのクラウドネイティブアーキテクチャ変換をサポート (Preview)
- QuickSightとAmazon Q Businessのデータ連携をサポート。
- Amazon Q indexにてISV統合をサポート。
Amazon SageMaker
・Amazon SageMaker HyperPod flexible training plans
大規模な基盤モデルのトレーニングにおいて、数千のコンピューティングリソースを拡張。また、予算に合わせて予測可能な時間とコストでトレーニングを計画。
・Amazon SageMaker HyperPod task governance
起動中インスタンス、タスクの各種情報の管理、可視化。
今年のre:InventではBedrockの様々なオプション機能のアップデート、マルチモーダル対応の基盤モデルが発表されたりと、生成AI系のアップデートが非常に多かったです。私自身、生成AIに関する知識が乏しいため、これを機に勉強していかないといけないなと感じました。