【解説】置き配とは?2024年問題対策として再配達を減少させよう
配達の手段である置き配について紹介します。物流業界では2024年問題で生じるトラックドライバーの再配達への対策の一つとして注目されています。
はじめに
こんにちは。ロジきむです。
本記事は配達の手段である置き配について紹介します。
物流業界では2024年問題(※1)で生じるトラックドライバーの再配達への対策の一つとして注目されています。
国土交通省の報道発表資料によると、2023年4月の宅配便再配達率は11.4%になります(※2)。
これはトラックドライバーからすると、毎日1時間20分の時間が無駄になっていることになります(※3)。
2023年10月6日、政府から「物流革新緊急パッケージ」が発表され、再配達率を現状の約半分である6%に減少させることが目標として掲げられました。
※1 トラックドライバーの時間外労働に上限時間が設けられることで、輸送能力の不足が懸念される問題。
※2 出典元は以下を参照。
https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000694.html
※3 トラックドライバーの報酬は、1回で届けた場合も、再配達で何度も訪問した場合も変わらない。
置き配とは
そもそも置き配とは、トラックドライバーが購入者と対面せずに商品を配達する方法のことです。
購入者は、自宅の玄関前や宅配ボックスなど、事前に指定した場所に商品を置いてもらうことができます。
置き配により、トラックドライバーの再配達を削減することが出来ます。
置き配は以下のような場所を指定することが出来ます。
・玄関前
・自転車のかご
・宅配ボックス
・車庫
・物置
・建物内の管理人受付
・ガスメーターボックス
置き配のセキュリティ
置き配ではセキュリティ対策が不十分だと、窃盗に遭うリスクが高くなってしまうため、
以下のような対策を導入してセキュリティ強化を図っています。
・IoT宅配ボックス
スマートフォンとリンクした宅配ボックスを使ったサービスです。
トラックドライバーは荷物のバーコードで開錠・投函します。
投函された荷物は内部カメラで撮影されていて、スマートフォンで後から確認することができます。
開錠する際は、購入者のスマートフォンから開錠要求することで宅配ボックスが開き、荷物を受け取ることができます。
・簡易型宅配ボックス
玄関前に吊り下げるだけで設置が完了する宅配バッグを使ったサービスです。
ドアノブなどに括り付けるようにしてワイヤーを通します。ドアノブの形状がL字型や丸手型でも付属の結束バンドで固定できます。
バッグには盗難対策のために2種類の鍵がついています。
鍵は南京錠で、トラックドライバーが施錠します。購入者は自身が持っている鍵で開けられるようになっています。
オートロックのマンションやアパートでの置き配
オートロックのマンションやアパートでは、入館できずに置き配が難しいと考えられます。
そのような問題を解決するため、置き配に特化したサービスが利用されています。
トラックドライバーは、配達先の集合玄関に到着後、専用アプリからロック解除を要求します。
認証に問題がなければ、オートロックが解除され、入館が許可されます。
トラックドライバーは、インターホンを鳴らさずに配達が完了できます。
置き配された荷物の盗難や紛失などがあった場合の補償
置き配後の荷物の盗難、紛失、破損などがあった場合の補償はどうなるのでしょうか。
その場合の対応は、各オンラインショップの契約内容によって異なります。
あるオンラインショップでは、荷物の補償金額を15万円までとしています。
また、別のオンラインショップでは、盗難時に同一商品の再配達を行います。
商品の在庫がない場合は、商品代金の全額返金を行う場合もあります。
置き配ポイントを付与するサービス
置き配を推奨させるために、特典を付ける取り組みも始まっています。
あるオンラインショップでは、特定金額以上の買い物をして、置き配を指定するとポイントが付与されます。
また、別のオンラインショップでは、置き配を指定すると、1荷物当たりでポイントが付与されます。
再配達を減少させるためのお得なサービス
置き配以外に再配達を削減するための取り組みも始まっています。
あるオンラインショップでは、買い物した際に、商品の配達日を遅らせると、ポイントが付与されます。
また、別のオンラインショップでは、買い物をして、自宅外の受取スポットでの荷物受取で割引されます。
受取スポットは、コンビニや、駅やスーパーに設置されているロッカーなどがあります。
おわりに
今回は置き配について紹介しました。
2024年問題によるトラックドライバーの輸送能力の不足が懸念されるなか、荷物の再配達を減らすために置き配が注目されています。
更に置き配ポイントを付与するサービスの導入により、置き配の利用が増加すると思われます。
2024年問題対策については過去の記事でも紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。
【解説】共同配送とは?仕組みと導入時のメリット・デメリット
【解説】中継輸送とは?仕組みと導入時のメリット・デメリット
【解説】モーダルシフトとは?仕組みと導入時のメリット・デメリット
【解説】貨客混在とは?仕組みと導入時のメリット・デメリット
システムズは、長きにわたり物流業務に携わってきた経験を元に、お客様の現場へ伺い、今直面されている運用課題に対する解決策をご提案いたします。
現状の課題について改善をご検討される際は、一度お問い合わせください。