COBOLの現状とこれからの選択肢、コミュニティ「レガシー侍」について
1959年に開発されたCOBOLは、今もなお多くの企業で活用されています。しかし、COBOL技術者の減少やシステムの古さがDXの足かせとなりつつあります。対応策を解説していきます。
COBOL言語の現状
1959年に開発されたCOBOL言語には、古さや将来性の低さといったマイナスなイメージを持つ人も少なくはないのでしょうか。
実際に、基本情報技術者試験では2019年10月の試験を最後に、出題が廃止されていて、注目度の高さも低くなっていることが読み取れます。
しかし、今もなお、多くの企業や組織がCOBOLシステムを保有しており、重要な業務プロセスやデータ処理に使用していることも実態です。
最近では、COBOLに関連したITニュースを多く目にするようになりました。
中でも、COBOLシステムをクラウド移行する記事が多く見受けられます。
あと2年に迫った「2025年の崖」問題
経済産業省のDXレポート内で「2025年の崖」問題と取り上げられているようになってすでに7年が経過しましたが、COBOLなどのレガシー言語で開発されたシステムの存在がDXの足かせ要因となることは皆さんも、ご存じでしょう。
レガシーシステムが置き去りにされることで大規模な経済的損失が発生する恐れがあるため、多くの企業ではシステムのモダナイズ化や移行に舵を切り出しています。
しかし、COBOL技術者の高齢化や退職、若い世代へのCOBOL言語教育の減少、興味関心の低下などが要因となり、COBOL技術者は年々、減少しています。
経済産業省によると、2025年までにIT技術者は43万人不足すると予測されています。
その為、システム刷新を実施したくても、COBOLの専門知識と経験を持ち、既存のシステムの分析や調査、移行プランの策定などを担当できる者がいない、というギャップが生まれます。
COBOLのシステムをどのように取り扱って行くべきか、その選択肢
COBOLのシステムをどのようにしていくべきか、当社のお客様と会話される選択肢を以下にご紹介いたします。
- 再開発 (Replatforming)
• 新しいプラットフォームでの再実装: 既存のCOBOLアプリケーションを完全に新しいプラットフォームや言語で再実装する方法
• 自動マイグレーションツールの利用: COBOLコードを他のプログラミング言語に自動変換するツールを利用する方法 - ラッパーまたはブリッジの利用 (Encapsulation)
• COBOLコンポーネントに対するAPIやラッパーを実装し、新しい技術と古いシステムを統合する方法 - 部分的な移行
• 一部の機能やモジュールだけを新しい技術で再実装し、徐々にシステム全体を更新・置き換えていく方法 - パッケージソフトウェアの導入
• 市販のソフトウェアを導入し、カスタマイズや統合を行うことで、COBOLシステムを置き換える方法 - 完全な移行を見送る
• COBOLシステムを基盤として維持しつつ、モダンな技術やツールを組み込むことで現代の要件を満たす方法
これらの選択肢を評価する際、システムの複雑さ、移行のコスト、期間、必要なリソース、ビジネスの要件など、さまざまな要因を考慮する必要があります。選択肢の中から最も適した方法を選ぶことで、スムーズな移行とモダンなシステムの実現が可能となります。
レガシー技術者の存在価値「レガシー侍」
ここまでに述べてきたようなレガシーシステムの刷新場面や、法律や規制によりCOBOLシステムの使用が要件とされている一部の業界が存在することを踏まえると、COBOLの需要は今後も完全に無くなることはなく、存在し続けることが考えられます。
当社では「レガシー侍」というコミュニティを運営しております。ご興味のある方はぜひ、お問合せください。
コミュニティ「レガシー侍」詳細は下記サイトをご覧ください
まとめ
1959年に開発されたCOBOLは古いと見られがちですが、今もなお多くの企業で活用されています。しかし、「2025年の崖」と称される問題により、COBOL技術者の減少やシステムの古さがDXの足かせとなりつつあります。対応策として、システムの再実装、自動マイグレーション、API利用などが選択肢として挙げられますが、これらの対策の採用に際しては、多様な要因を踏まえた評価が求められます。COBOL関連の移行でお悩みの方は是非一度当社までお問合せください。
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