この記事について問い合わせる

【VBマイグレーション道場2】移行時の検討項目

マイグレーションは、低コスト・短期間ですが、それでも少なくないIT投資と期間が必要となります。プロジェクト成功には、準備段階「移行性検証」のフェーズが大事です。今回は「VBマイグレーション時に検討するべきこと」をテーマにお伝えします。

前回は【VBマイグレーション道場1】簡単そうで実は難しい 成功秘訣「システムの棚卸とスリム化」というテーマで、VBマイグレーションの着手前の準備段階についてお話ししました。今回のテーマは「移行時の検討項目」というテーマでお伝えしていきたいと思います。

実際の移行時に検討すべきこと

「システムの棚卸」により、「使用しているコントロールの洗い出し」「システム全体の規模(ステップ数、画面数、帳票数)」が把握でき、「スリム化」により、マイグレーションを行う対象(ソースコード)を必要最小限にすることができました。

よし、じゃあマイグレーションを始めよう!、、、という訳にはいきません。当社では、まず初めに「移行性検証」という聞き馴染みのないフェーズを行うことにしています。

プロジェクトの成功のために

移行性検証とは、その名前が示すように、移行(マイグレーション)の可能性やリスクの検証を行うことを目的としています。たとえばプロジェクト固有の事情を考慮したうえで、標準的な「計画」「ツール」「作業手順」「生産性」をより実情に見合った精度の高いものにします。では、どのように、この移行性検証を行っていくのか?というところを見ていきましょう。

◇移行性検証

「移行性検証」では、サンプリングした対象(全資産の数%)に対してマイグレーションを行います。サンプリングの対象は、下記の観点から、お客さまの全資産を代表するような特徴的なものを選んでいくことが重要です。

  • 使用しているコントロールを網羅する
  • 機能やシステム区分を網羅する
  • お客様基準の選定

このような観点でサンプリングを行い、実際にマイグレーションを行うことにより、潜在的なリスクやツール変換では難しいコードなどを把握することができます。

サンプルマイグレーションで得られた課題は、残りのシステム資産をマイグレーションする際に活かします。例えば、ツールでは変換できないコードをツール改修で対応させる、プロジェクトに当時参画したプログラマのコーディングの癖や特徴を把握する、といった具合です。

机上だけでは知ることができない課題を抽出して、対策を講じるのが「移行性検証」です。また、このことにより正確な計画を立てることが可能となります。

Visual Basic 6.0の壁

1998年にMicrosoftからリリースされた「Visual Basic 6.0(通称VB6)」。

ActiveXコンポーネントとして公開されていたDAOやADO、oo4oなどを使用して、SQL ServerやOracle DBを制御することができたため、当時、多くのユーザーがこのプログラミング言語を使用してシステムを構築しました。あまりの人気のため、また純正コンポーネントでは実現が困難であったり工数が大きくかかるものもあって、このVB6のためのサードパーティ製品が多く登場し、これを組み込みながらシステムを構築するのが、いわば当たり前の時代でした。各社がリリースするサードパーティを紹介するための雑誌が発売されていたほどです。しかし、今となっては、これがVB6をマイグレーションするときのひとつの壁となるケースが多くなっています。

VB6をその後継言語である「Visual Basic .NET(通称.NET)」にマイグレーションするとします。もちろん、サードパーティも.NETで利用できるものにバージョンアップしなければなりません。しかし、既にバージョンアップのリリースを中断してしまった、あるいは開発元のベンダーが存在しない、といったサードパーティは数多く存在しています。このとき、代わりになるサードパーティに切り替えたり、新しくその機能を作りこむ必要があります。これは、マイグレーションを進めるにあたって大きな課題となりえます。

とはいえ、当社はそのようなケースを何度も経験してきましたので、最善の方法をご提案できると考えています。

量産

「移行性検証」が終われば、次は「量産」の工程です。

「移行性検証」サンプリングの対象とならなかった残りの多くの資産を対象としたマイグレーションを行います。しかし、「移行性検証」を経たことにより、多くの課題はすでに対策されています。「量産」フェーズではプロジェクトの推進を阻害するような技術的な課題は、そう多くは発生しないでしょう。

まとめ

マイグレーションは、スクラッチ開発による作り直しに比べれば低コスト・短期間でレガシーシステムを蘇らせる効果的な手法ですが、それでも少なくないIT投資と期間が必要になります。

プロジェクトを成功させるためには、準備段階、つまり「移行性検証」というフェーズを大事にしていかなければならないと、当社は考えています。

次回は、「品質の確保と現新差異」というテーマで、どのようにして変換したマイグレーションプロダクトの品質を確保していくのか?というところについてお話しいたします。

<関連記事>

【VBマイグレーション道場1】簡単そうで実は難しい 成功秘訣「システムの棚卸とスリム化」

【VBマイグレーション道場3】品質確保と現新差異

お問い合わせ

タイトル 必須
お名前 必須
お名前(フリガナ) 必須
メールアドレス 必須
会社名 必須
部署
役職
電話番号 必須
お問い合わせ内容

個人情報保護方針

株式会社システムズは、コンピュータ関連システムの構築、コンサルテーション、ソフトウェアの 開発・設計・販売・保守等を提供するに当たり、個人情報はお客様、お取引先様、株主様および 従業者等からお預かりした重要な資産であるという認識のもと、情報社会の一端を担う企業とし ての社会的責務を全うするため、個人情報に関する法令、国が定める指針、規範に基づき以下 に個人情報保護方針を定め、個人情報の厳正な取り扱いに努めます。

1.目的

個人情報の重要性を全社員・役員に認識させ、個人情報に関する法令、国が定める指針、規範を遵守するとともに、管理規程を制定し着実に実施いたします。またこれらの取り組みを継続的に維持および改善いたします。

2.個人情報の取得

個人情報はお客様ご本人に利用目的を明示し同意を得た上で、サービス提供上必要な範囲内で取得します。

3.個人情報の利用

取得した個人情報は利用目的にのみ使用します。お客様の同意がある場合または法令・指針・規範等に基づく場合を除き、目的外利用および第三者への提供・開示はいたしません。またそのための措置を講じます。

4.Googleアナリティクスの利用

  1. 当サイトは、利用状況を把握し、サイトの改善を図るため、Googleアナリティクスを利用しています。Google社が訪問履歴を収集・記録・分析しますが、個人を識別する情報は含まれておりません。
  2. 当サイトではGoogleアナリティクスデータとお問い合わせフォームから送信された個人情報を紐付けることが可能ですが、これを第三者に無断で提供・販売することはありません。
  3. Googleアナリティクスの利用規約とプライバシーポリシーにつきましては、Google社のサイトでご確認ください。
    Google Analyticsの利用規約
    Googleのプライバシーポリシー

また、Googleアナリティクスによる情報収集を停止することも可能です。「Google アナリティクス オプトアウトアドオン」をインストールし、ブラウザのアドオン設定を変更してください。

5.クッキーについて

当サイトでは、ウェブサイトの利便性向上を目的にクッキーを利用しています。クッキーはサーバーから利用者に送信されブラウザに保存される情報です。クッキーは無効にすることもできますが、その結果サイト機能の一部またはすべてが利用できなくなる可能性があります。

6.個人情報の管理

取得した個人情報について、充分な安全対策を実施し管理することで、不正アクセス・漏えい・滅失・毀損等の防止・是正をいたします。

7.苦情・お問い合わせへの対応

個人情報への扱いに対するお客様からの苦情およびお問い合わせには、誠意ある対応をいたします。

8.個人情報の開示等

取得した個人情報に関して、お客様ご本人からの訂正・削除および開示等のご要望には迅速かつ適切な対応をいたします。

制定日 2005年4月1日
改定日 2011年10月1日
株式会社 システムズ
代表取締役社長 小河原 隆史

当社の個人情報の取扱いにつきまして、ご意見・ご質問等ございましたら、下記までご連絡くださいますようお願い申し上げます。

株式会社 システムズ 個人情報保護に関するお問い合わせ先
個人情報お問い合わせ窓口
株式会社 システムズ 個人情報窓口

TEL:03-3493-0033
FAX:03-3493-2033
メールアドレス:kojin_jyouhou@systems-inc.co.jp

この記事を書いた人

通称ぶいびー板倉
当社の看板セミナー講師