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コラム:クラウド移行課題は現場で起きる!?セールスの現場から

近年、クラウドを活用したサービスも増え、今では【クラウドファースト】ということを耳にすることも多くなってきました。そこで、AWSクラウド環境へ移行したいと考えている企業が多いのではないでしょうか?

しかし、AWSに限らず、実際にクラウド環境への移行を検討し始めると、様々な課題に躓くことがあります。そして、クラウド環境への移行を躊躇する企業も多いのが現実だと思います。もちろん、企業によって躊躇する理由は様々ですが、この躊躇には、大きく2つのケースに分けられます。

1つは、全てがこれからで、ゼロから検討していくのに漠然とした不安や一般的な情報で躊躇している場合です。こちらはネット検索すると、たくさん事例も出てきますので、ご覧になられた方も多いのではないでしょうか?

もう1つは、既にどこかに相談してその結果や提案内容などにより、躊躇している場合です。実は、当社に相談されるお客様は、後者の場合が多く、既に他の企業に相談されていて、その結果、躊躇していたりします。ですので、今回は、このことを前提に、現場での声をお伝えしたいと思います。

当社へよく相談される課題と、どのようにその課題を解決したのかを、実際のセールス現場からお伝えします。AWSクラウド環境へ移行するためには、導入、移行、運用、監視、活用など、様々な状況について検討する必要がありますが、これらは、ざっくりと3つのフェーズに分けることができます。

それは、【導入と移行フェーズ】【運用と監視フェーズ】【活用フェーズ】です。それぞれのフェーズによって課題も異なります。

最初は【導入と移行フェーズ】です。ここで、よく相談されることは、既存のオンプレミス環境のシステムを、どこまでAWSクラウド環境へ移行するかについてです。

詳しくお話を聞いてみると、実は、月々のランニング費用について課題をお持ちのケースが多いです。やはりコロナ渦の影響だけではありませんがこの費用の問題は重要です。AWSクラウド環境に移行することで、想定外のランニング費用になり、【クラウド=高い】となり、いきなり、検討がストップしてしまうケースが多くみられます。

かなりのケースにおいてベンダーからの提案はオンプレミス環境と同等スペックでAWS環境の構成を組んでいたりします。オンプレミス環境ではピーク時に備えたスペックのサーバーもあるでしょうし常時稼働させておく必要のないサーバーもあると思います。

オンプレミス環境に慣れている人が構成を組むとスペックオーバー気味にしてしまうこともあるのかもしれません。現行スペックだけでなくサーバーをどのような使い方をしているのかなどのヒアリングを経てAWSクラウド環境の構成を組んでいく必要があります。

またパブリッククラウドには様々なプランやディスカウントがありますが、これらをしっかりと考慮していないケースも見られます。きっちり適用させて構成を組んでいくと、ご相談前の費用と現状ヒアリング後に試算したライニング費用を比べてみると倍以上に差が開くこともあります。

また、お客様の現状や体制に合わせて、IaaS、PaaSなどを組み合わて試算することも重要になります。現状のオンプレミス環境の情報のみで概算を算出すると、予想以上の高額になってしまうのです。これらのことを考慮して試算するベンダーかどうかの確認が重要です。

移行については、どこまで支援してくれるのかも大事な要素です。環境だけ用意して実際の移行はお客様で実施、というケースもみられます。もちろん、移行コスト(外部委託費用)は下がりますが、この場合、多くのインフラ担当者は困ってしまいますよね。

二番目は、【運用と監視フェーズ】です。ここでの課題はサービスの安定稼働をどうやって実現させるかです。当社に相談される企業の運用担当者はAWSクラウド環境での経験が無い場合が多いです。

しかし経験したことのない環境では、障害発生時の対応など不安が大きくなります。いずれにしてもクラウドの特性などを踏まえた運用・監視の設計が必要になります。そして、最適な運用と監視をどのように実現するかは、経験のあるベンダーを活用したり信頼できる運用保守サービスを活用するなど、色々な方法があります。

つまりパートナー選びが重要になってくるのですが、個々の事情によってベストプラクティスは異なりますので、お客様に合わせた提案をしてくれるパートナーを選ぶようにしてください。当社にもAWSアーキテクトは多数在籍していますが、もちろん得意、不得意な分野もあります。運用保守マネジメントなどは内容によっては提携している専門ベンダーと連携することもよくあります。

三番目は【活用フェーズ】です。導入後に使いこなすことでクラウド環境を導入した効果が高まります。しかし、導入すること、に焦点が当たることが多く、導入後の活用についてはあまり意識されてないケースがほとんどです。

これらのことを踏まえて導入の計画を立てることが重要になります。情報システムの現場から見たら「導入」が一番大変なタスクになりますが、経営層から見た課題は活用フェーズのことが多くなります。当社ではご提案時に経営層にも今後のビジョンなどをヒアリングすることで、活用フェーズを踏まえたご提案をさせていただいております。

一般的な情報ではパブリッククラウドへの移行で一番多い不安や課題は、情報漏えいやセキュリティリスクと言われています。セキュリティは重要なことでもあり、心配にならないことは無いのですが、当社への相談ではセキュリティリスクへの不安は様々な事前情報から、既にお客様の中で解決済みであることが多いです。一方で、やはりコスト面での課題は、想像以上に大きいです。だからこそ、クラウド化の実現には情報部門だけでなく、利用部門や経営層を巻き込むことで推進していきたいですね!

クラウドリフトだけでなく、その後のシフトも含めて「使いこなす」にはそれなりの経験とノウハウが必要になります。AWSは常に新しいサービスが増えていますので、場合によっては導入後に別のサービスを入れ替えていくことも重要になります。

導入後は、常に最適化を目指す、マネージドサービスを積極的に取り込むことでランニングコストを抑えることも可能になります。導入だけではなく活用まで含めて中長期的な視点で、さらにはインフラ担当からの視点、アプリ担当からの視点、ユーザーからの視点、経営層からの視点など、多角的な視点で、導入の計画や検討されることがよい結果につながります。

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制定日 2005年4月1日
改定日 2011年10月1日
株式会社 システムズ
代表取締役社長 小河原 隆史

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