オンプレミスのSPARC Solarisからクラウド(AWS Linux)への移行・マイグレーション
Solarisを使い続けている企業がハード更改時に次はAWSによるサーバクラウド化を希望される場合があります。本コラムではSolarisからAWS(Linux)に移行する際のポイントをご説明します。
SolarisのAWS移行
2000年に入ったばかりのころ、Javaを使用したWEB画面の業務システムが作られる様になりました。そういったシステムのサーバとして当時のUNIXで主流のひとつだったSolarisがWebサーバやDBサーバのOSとして活用されていました。
時代は変わりオープンソフトウェアのLinuxが主流になりましたが、当時開発したSolarisを使い続けている企業が多数残っているのではないでしょうか。その様な企業でも機能的には不足がなくともハード更改時に次はAWSによるサーバクラウド化を希望される場合があります。
その際に問題となるのがAWSのOSはSolarisがないので、Linuxに移行する必要があるということです。本コラムではSolarisからAWS(Linux)に移行する際のポイントをご説明します。
AWS移行時のポイント
AWS化に向けてSolarisをLinux移行する際のポイントは次の通りです。
- 文字コード変更(EUC⇒UTF-8)
- エンディアン変換
- Javaのバージョンアップ
- DBの変更
- WEBブラウザ変更
文字コード変更(EUC⇒UTF-8)
Solarisの標準文字コードはEUCですが、LinuxではUTF-8が標準文字コードになります。Linuxの文字コードをEUCに変更することもできますが、他システムとの連携を考慮するとUTF-8に変更することをお勧めます。
UTF-8にすると文字あたりのバイト数が変わりますので、プログラム内でバイト単位にデータ編集している部分がないかを調査して修正・テストを行う必要があります。
エンディアン変換
SolarisとLinuxではメモリ上のデータ配置が異なります。(Solaris:ビックエンディアン、Linux:リトルエンディアン)Java等の言語側で対応されているため、通常は意識する必要はありませんが、バイナリデータを直接操作するプログラム(例:ソケット通信を行うプログラム)ではエンディアン変換を行う機能追加が必要となり、プログラム内でバイナリデータを扱う部分がないかを調査して修正・テストを行います。
Javaのバージョンアップ
Javaのバージョンが古い場合、これを機にバージョンアップをお勧めします。バージョンアップする場合は非互換となるプログラムを調査して修正・テストを行います。
DBの変更
Oracle等の商用データベースからAmazon RDS for PostgreSQL等のオープンソフトウェアベースのマネージド型DBに変更することをお勧めします。DBを変更する場合、テーブルのカラム属性がバイト指定(CHAR型)か、桁指定(NCHAR型)を調査する必要があります。
バイト指定(CHAR型)の場合、文字コード変更で文字ごとのバイト数が増える為、カラム定義のバイト数見直しが必要となります。変更すべきカラムが多い場合はDB内データの文字コードは変更しない方式もあります。
WEBブラウザの変更
2000年に入ったばかりのころはWindowsにバンドルされていたInternet Explorerが圧倒的シェアから企業標準ブラウザとなっていましたが、現在はGoogle社のChromiumベースのChomeやEdgeを標準ブラウザとする企業が増えてきました。
また、スマートフォンでの業務システム利用も進み、iPhomeのSafari活用も増えています。その為、対応ブラウザの変更も必要となります。WEBブラウザを変更する場合、ブラウザ毎の非互換調査と修正、対象ブラウザでレイアウト崩れがないかの検証を行います。
まとめ
このようにSolarisをAWS(Linux)に移行するには、OSそのものの変更だけではなく、システム全体のモダナイゼーションを行う必要があり、考慮すべきポイントが多数あります。
当社でもSolarisからLinuxへの移行の事例は多数ございます。お気軽にお問い合わせください。
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