この記事について問い合わせる

AIで現場を盛り上げる

弊社では生成AIを活用した新しい開発手法「仕様駆動開発」の研究に取り組んでいます。
AIと人間が役割を分担しながら、品質の高いシステムを効率よく作る——その挑戦と、見えてきた可能性をご紹介します。

はじめに

近年、生成AIを使って自然言語でコードを書かせる「バイブコーディング」が注目を集めています。
「こんな機能を作って」と指示するだけでソースコードが生成される手軽さは魅力的ですが、ビジネス用途では課題も見えてきました。

私たちのチームでは、生成AIをより体系的・継続的に活用するための開発手法を研究しています。その核心にあるのが 仕様駆動開発(Specification-Driven Development) です。

仕様駆動開発とは?

仕様駆動開発とは、システムの仕様書を起点にして、設計・実装・テストをAIに支援させながら進める開発手法です。

従来の開発では、エンジニアが要件をヒアリングし、設計書を書き、コードを実装するという流れが一般的でした。
仕様駆動開発では、このプロセスにAIを組み込みます。

ポイントは、意思決定は人間が行い、実装作業はAIが担うという役割分担です。

なぜ仕様駆動開発が必要なのか

◆ バイブコーディングの課題
人間が都度指示を出しながらコードを生成していくスタイルのバイブコーディングには、次のような問題があります。

  • 保守が難しくなる:AIがどのようなロジックで実装したかがブラックボックスになり、後から修正しにくくなります。
    「都度AIにソースコードを説明させれば良い」という考え方もありますが、後追いでコードを解釈させるより最初に仕様を固めてAIに従わせる方が、正確性・一貫性の面で合理的です。
  • 一貫性がなくなる:会話セッションが変わるたびにAIの判断が変わり、システム全体の統一感が失われることがあります。
  • 品質が安定しない:AIが”よしなに”判断した部分が仕様と食い違うことがあります。

◆ 仕様駆動開発で何が変わるか
仕様書という「共通の基準」を持つことで、AIの動作が一貫し、人間もレビューしやすくなります。
また、仕様書があることで複数人・複数AIが分担して開発を進めることも可能になります。

私たちの取り組み

◆ 社内業務システムへの適用
私たちは、社内の業務報告書システムを題材に仕様駆動開発を実践しています。
既存のソースコードから仕様書を逆起こしし、その仕様書をもとに新しいシステムを再構築するというアプローチで取り組みました。

◆ スキル化による標準化
開発プロセスを細分化して再現可能な手順書「スキル」としてまとめることで、属人化を防ぎ、チーム全体で同じ品質の開発ができる仕組みを整備しています。

◆ AIへの役割の明確化
「AIにわからないことはわからないと言わせる」ことを徹底しています。
AIが曖昧な判断で実装を進めてしまうと、後から意図しない挙動が混入します。
不明点はAIが人間に質問し、回答をもとに実装品質を高めていく対話型のプロセスが重要です。

やってみてわかったこと

◆ ソースコードから読み取れない「人の意図」
既存システムを仕様書に起こす際、ソースコードだけでは把握できない情報があることがわかりました。

  • 業務ルール(例:報告書の再提出ルール、承認フローの例外処理)
  • 運用でカバーしていた仕様(ドキュメントに残っていないノウハウ)
  • 性能や非機能要件(CSV出力の許容期間、ログの出力ルールなど)

このような「暗黙知」はAIでは補えないため、人間が積極的に関与して仕様を補完することが品質向上の鍵です。

◆ AIが得意なこと・苦手なこと

今後の展望

仕様駆動開発の手法を社内に広く展開し、複数拠点・複数メンバーが同じ品質で開発できる体制を整えることが次のステップです。
また、マイグレーション(既存システムの刷新)への適用や、テスト工程の自動化など、さらに多くの開発フェーズにAIを組み込む研究を継続しています。

「作るのはAI、意思決定は人間」——この役割分担が、品質とスピードを両立する新しい開発の姿だと考えています。

生成AIを使った開発にご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

タイトル 必須
お名前 必須
お名前(フリガナ) 必須
メールアドレス 必須
会社名 必須
部署
役職
電話番号 必須
お問い合わせ内容

お預かりした個人情報は、本お問い合わせへの回答および関連するご連絡のために利用いたします。
当社における個人情報の取り扱いの詳細およびお問い合わせ種別ごとの利用目的については、
個人情報の取り扱いについて」をご確認ください。

この記事を書いた人

筆者 BIチーム