コラム「現場とIT」Web3を活用した新たなビジネスの創造
現在、「Web3」というワードが注目を集めています。しかし、実業につながっているケースは非常に少ないのが現状です。今回はスポーツ分野での活用事例を紹介します。
はじめに
現在、「Web3」というワードがますます注目を集めてきています。以前、Web3.0とは?や、NFTとは?の記事を公開しました。
実際には、まだまだ投機目的で集まる人たちが多く、実ビジネスにつながっているケースは非常に少ないのが現状です。
スポーツ分野での活用
その中でもうまく活用につながっているのは、社会人サッカークラブがファンクラブの運営としてトークンを発行することで、活動資金を集めたりサポーターとの交流の場作りをしているケースです。
クラブはトークンを発行し、サポーターがそれを購入することで活動資金を集めることができます。遠征用バスの購入やグラウンドの保善、また外国人選手を補強するなどの、チーム強化に向けた投資が可能となります。
一方、トークンを購入したサポーターにとっては選手との交流会や練習会見学などの場が提供され、応援するメリットが受けられます。もちろん、活動資金が増えることによってチームが強くなり、ワクワクもアップします。
チームが強くなることで、応援したいサポーターの裾野が大きくなり、それによってトークン保有者が増えると、トークン価値が高まる可能性もあります。トークンは、トークン保有者のニーズに応じて価値が上下します。
サポーターにとっては、初期からトークンを保有していれば、初期から応援している証にもなりますし、応援するモチベーションに繋がります。まさに、新しい応援の形といえるでしょう。
トークンを用いた新たなビジネス
トークンを購入することにより、クラブの企画への投票、イベントなどへの参加権、限定グッズなどへの応募など、さらなるメリットも受けられるようになります。例えば、投票はトークン保有数に応じて投票数が多くなる仕組みなどが運用されています。
保有しているトークン数の割合によって抽選特典の当選確率を変動させることも可能です。さらに、一定以上のトークンを保有しているサポーター限定の特典も提供するといったサービス展開も可能です。
これらのように、クラブとしてはトークンを発行して資金を集める活動をする一方で、リアルでの選手交流やファンを楽しませる仕組みを作ることにより、サポーターコミュニティを活性化させています。まさに、選手もファンもワクワクするような実のビジネスにつながっているケースです。
当社でも、このような先行事例を参考にして、投機目的ではなく、関係者すべてがWin-Winとなるようなビジネスモデルの枠組みが作れないか、社内だけでなく外部の方々ともディスカッションしています。
Web3でゴルフ業界を活性化
その一つとして、いま取り組み始めているのがゴルフ業界での活用です。日本のゴルフ界では、これからプロでの活躍を目指す若手ゴルファーや、プロになりたてのゴルファーは、スポンサーとの接点も少なく、十分な活動資金が得られていないのが現状です。サッカークラブの事例のような、ファンとの交流強化による応援ビジネスとして、プロでの活躍を目指しているゴルファーのコミュニティを創り、活動資金を集めるだけではなく、そのファンも応援することを楽しめるようなコミュニティにしようと取り組み始めました。
まだまだ企画段階ではありますが、たとえば推しゴルファーのNFTを発行した上で、シーズン成績に応じて市場価値が変動するといった新しい形のゲームの検討も進めています。
Web3と呼ばれる技術やスキームは、まだ社会に十分浸透しきれていません。一方で、web3といえば仮想通貨といった、投機的な色合いや世の中のイメージが先行してしまっていることもあり、実ビジネスの世界では、理解を得るのはまだ難しいような状況です。
しかし、Web3という技術は、これから流行るのか、あるいは流行らないのかといった問題ではなく、どのタイミングで社会の基盤として普及し盛り上がるかどうかの、時期的な問題という考え方もできます。盛り上がる前の今の時期は、なかなか世の中の理解を得ることは難しいですが、その流れを作り出すこともIT企業の一員としては重要な社会的使命だと考えています。
Web3をゴルフ業界で新たな実ビジネスにつなげるには、ゴルフが大好きな人たち、プロゴルファーやファン、業界関係者など、関係する人たちがワクワク出来るようなことを一緒になって考える。結局は、これにつきると思います。
当社では、今の事業領域を広げる活動とあわせて、たとえばweb3のような、新たな「◯◯ × IT」といったビジネスの立ち上げにもチャレンジしています。ご興味のある方は一緒にゴルフ業界を盛り上げていきましょう。ご意見など、下記フォームからいただけるとうれしいです。