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【解説】物流倉庫業務③(棚入れ・補充)

2022/09/29(初回公開日:2022/09/14)

はじめに

本記事は物流倉庫業務とその改善点を紹介するシリーズ記事の第3回です。

過去の記事はこちら
【説明】物流倉庫業務①(入荷・出荷)
【説明】物流倉庫業務②(入荷検品・出荷検品)

物流倉庫業務紹介

今回は、物流倉庫で行われる業務のなかから、商品を保管するための業務である「棚入れ」・「補充」について紹介します。

棚入れ・補充について

まずは、棚入れと補充の業務内容について紹介します。
本記事で紹介する業務内容はあくまで一例です。

棚入れとは

棚入れとは、入荷した商品を棚に格納することを指します。
一般に、棚入れが完了した段階で、商品を在庫として計上します。
「入庫」と呼ばれることもあります。

補充とは

補充とは、在庫をストックエリア(※1)からピッキングエリア(※2)に移送し棚に格納することを指します。
ダブルトランザクション方式(※3)を採用している倉庫において必要になる業務です。

※1 ストックエリア:在庫のうちピッキングエリアに保管できる数を超えたものを保管する場所で、特に保管効率が重視される。
※2 ピッキングエリア:出荷時に商品を取り出す(ピッキングする)場所で、在庫の一部を取り出しやすい形で保管する。
※3 ダブルトランザクション方式:在庫をピッキングエリアとストックエリアの複数エリアで管理する仕組みのこと。

ロケーション管理とは

棚入れの際に、どの棚にどの商品を保管するかを判断する方法をロケーション管理といいます。
ロケーション管理の方法は、「固定ロケーション」と「フリーロケーション」の2種類に分類できます。

補充で紹介したトランザクション方式は、ストックエリアはフリーロケーションで保管し、ピッキングエリアは固定ロケーションで保管します。

固定ロケーション

固定ロケーションとは、商品ごとに格納する棚を固定し、定められた棚へ商品を格納し、保管する方法のことです。固定ロケーションには、下記のようなメリットとデメリットがあります。

メリット
  1.在庫量の減少が把握しやすい
  2.作業者が商品の場所を把握しやすいため、作業回数が多くなるほど、ピッキングの効率が良くなる

デメリット
  1.仕入れ状況によって空棚が生じ、保管効率が悪い
  2.取扱商品や取扱量の変化によって、ロケーションの見直しを行う必要がある

フリーロケーション

フリーロケーションとは、商品を格納する棚を定めず、空いている棚に商品を格納し、保管する方法のことです。
フリーロケーションには、下記のようなメリットとデメリットがあります。

メリット
  1.棚入れの時間を短縮できる
  2.空棚を活用するため、保管効率が上昇する
  3.取扱商品や取扱量の変化に影響を受けず、ロケーションの見直しを行う必要がない

デメリット
  1.商品の格納場所が定まっていないため、ピッキング作業の効率が低下するリスクがある
  2.在庫量の減少が把握しづらい

業務の改善点

続いて、上記で紹介した業務やロケーション管理に関わる改善例を2点紹介します。

ロケーション管理の見直し

倉庫や商品に適したロケーション管理を行うことで、棚入れ、さらにはピッキングの効率化を図ることができます。
固定ロケーションとフリーロケーションがそれぞれどのような場合に適しているのかを下記に示します。

固定ロケーション
  ・商品の種類が少なく、各商品の在庫量が多い場合
  ・定番商品が多い場合
  ・各商品の取扱量が一定である場合

フリーロケーション
  ・商品の種類が多く、各商品の在庫量が少ない場合
  ・ロット管理が必要な商品の場合
  ・取扱商品や取扱量の変化が激しい場合

また、固定ロケーションとフリーロケーションのどちらかだけではなく、上記で紹介したトランザクション方式だったり、基本は固定ロケーションで入りきらない商品はフリーロケーションにしたりという方法で運用している倉庫もあります。

商品や倉庫の特徴を見極め、どのようなロケーション管理が適しているかを考えることが効率的な倉庫の運用につながります。

フリーロケーションを活かすシステムの導入

上記のフリーロケーションの紹介では、デメリットとして、ピッキングの効率が低下するリスクがあること、在庫量の減少が把握しづらいことを挙げました。

しかし、システムの導入によってこのようなデメリットを軽減することが可能です。ピッキング効率については、無線ハンディターミナルを使用するとその場で商品のロケーションを検索できるため、商品の格納場所が分からなくても効率的にピッキングを行うことができます。

また、在庫量の把握については、商品の入出庫や在庫量の情報をシステムで管理すると、在庫量が少なくなっている商品が一目で把握できます。このように、システムの導入によって、フリーロケーションを活かした倉庫の運用ができるようになります。

おわりに

本記事で紹介したのは業務の最適化の一例であり、重要なことはお客様に最適な改善策を検討することです。
システムズは、長きにわたり物流業務に携わってきた経験を元に、お客様の現場へ伺い、今直面されている運用課題に対する解決策をご提案いたします。
現状の課題について改善をご検討される際は、一度お問い合わせください。

⇒過去の改善提案事例の紹介記事はこちら

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⇒この次の記事はこちら『【解説】物流倉庫業務④(ピッキング)』

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