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始祖のOS・UNIXとは?2025年の崖を見据えビジネスに与える影響を考える

2024/02/27(初回公開日:2024/02/27)

2025年の崖に対して、UNIXユーザーはまだまだ多くいらっしゃるようで、当社にも移行のご相談が増えてきました。UNIXの歴史を振り返りつつ、今後とるべき対策について解説します。

UNIXの概要

UNIXは、ユーザーとハードウエア・ソフトウエアを仲介する基本ソフトであるOS(オペレーティングシステム)の一種です。1969年に誕生したUNIXは現存するOSの中で最も古いOSのひとつであり、多くの派生OSが誕生していることから、「始祖のOS」とも呼ばれています。

・UNIXとは?その特徴やLinuxとの違いを解説

UNIXの利点は、安定性と汎用性の高さです。シンプルな構造であるため動作が安定しており、マルチユーザー・マルチタスクに対応し、カスタマイズが可能です。

UNIXは、教育・研究機関などの特定領域に特化した、小型コンピュータでの使用を想定して開発されました。しかし、その使い勝手の良さから企業での導入が進み、現在では企業の基幹システムのインフラを担うアプリケーションサーバやデータベースサーバ、携帯電話などの組み込みシステム、スーパーコンピュータの一部などで使用されています。

2000年代前半はUNIXサーバーの全盛期で、サン・マイクロシステムズ(アメリカ)のSolarisとヒューレット・パッカード(アメリカ)のHP-UX、そしてIBM(アメリカ)のAIXが基幹システムの分野で圧倒的なシェアを誇っていました。

日本では、富士通がOracle Solarisを採用したUNIXサーバのSPARC Serveを販売しており、2011年から12年連続で国内UNIX市場シェアNo.1を獲得しています。他にも日本IBMや日立製作所、NECなどがOEMで調達したハードウエアを販売しており、導入に莫大なコストのかかるメインフレームの代替は、UNIX一択というのが当時の常識でした。

UNIXのXサポート終了

UNIXには、開発各社が設定したサポート終了期限があります。バージョンによりサポート終了日が異なるので確認しておきましょう。2023年9月時点で、主なUNIX系OSのサポート終了期限は以下のとおりです。

・Solaris

・IBM AIX

・Oracle Linux

・HP-UX


サポート期限が過ぎてもUNIX系OSを使い続けることは可能です。しかし、不具合や脆弱性を修正できないため、不正アクセスに利用されたり、ウイルスに感染したりするリスクが高まります。また、OSのアップデートが無いため徐々に動作が遅くなり、パーフォーマンスが見劣りしてくる可能性もあります。


引用元URL:
・Solaris 10の延長サポート終了が2025年に伸びていた話とSolarisのバージョンのまとめ
・IBM AIX
Unix系OSのサポート期限に注意!バージョン一覧【2023年9月時点】
・HP-UXのサポートポリシー

2025年の崖

IT技術の進歩は目覚ましく、日々新しいものが生まれています。一方で、多くの企業で使われている既存のITシステム(=レガシーシステム)は1980年代に誕生したものが多く、現在では老朽化・複雑化しており、時代に合わなくなってきています。このことにより、日本企業の競争力を低下させ経済損失をもたらす恐れがあることを「2025年の崖」と呼んでいます。

参考URL:
・2025年の崖とは?わかりやすく解説―ITシステムの課題と経済産業省レポート
・2025年問題(昭和100年問題)、2027年問題、2036年問題、2038年問題……コンピューター関連の20XX年問題まとめ
・レガシーシステムとは


2025年以降に起こるITシステム関連の変化に対応できない企業の経済損失は、年間で最大12兆円とも試算されています。
また、2025年を境に企業の基幹システムを構築したエンジニアが、大量に退職時期を迎えるため、UNIXシステムを扱えるIT人材が急激に減ってしまう懸念もあります。
2025年の崖を回避するために、企業が取るべき対策は様々ありますが、一例として以下のステップで行う方法があります。

①部署、部門ごとに使用しているITシステムを洗い出す
②技術面で老朽化・複雑化しているレガシーシステムを特定する
③DXを推進するチームを作り権限を与える
④社内システムのDX化を行い、それに合わせて新しい体系・体制を構築する

2025年の崖を回避できるかどうかは、レガシーシステムの切り替えにかかっています。行動が遅れれば、新しいビジネスモデルに対応できないだけでなく、システム維持管理費の高騰や旧システム管理人材の不足、OSのサポート期間終了によるセキュリテイ問題などが発生してしまいます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の観点でのマイグレーション

では、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何なのでしょうか。経済産業省では以下のように定義しています。
『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。』
つまりDXとは、業務効率化のためにデジタルツールを導入することではなく、企業競争力を高めるためにビジネスモデルを変革することを意味しています。

レガシーシステムの切り替え、特にUNIXシステムの場合は、クラウド基盤への移行がおすすめです。利点としては、ハード保守切れがないこと、技術者確保が容易なこと、中長期的なコスト削減が可能なことです。

レガシーシステムのクラウド移行(=マイグレーション)は、一般的に以下のステップで行います。

①現行システムの棚卸しを行い移行計画の全体像を検討する
②スリム化により移行対象のソースコードを必要最小限に絞る
③サンプリングした機能を対象に移行を実施し、移行課題整理/移行手法確立を行う
④移行課題を解決し、全体の移行を実施する

マイグレーションは、スクラッチ開発による作り直しに比べ低コスト・短期間でレガシーシステムを蘇らせられる手法です。UNIX系OSを現在お使いの方は、サポート終了期限を確認の上、ビジネスや技術運用に与える影響を考える必要があるでしょう。

関連記事:
・基幹システムのクラウド移行 事前検証(PoC)の勧め
・【VBマイグレーション道場1】簡単そうで実は難しい 成功秘訣
・【VBマイグレーション道場2】移行時の検討項目

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