前回は「VBマイグレーション時に検討するべきこと」というテーマでお話ししました。今回は「品質確保と現新差異」というテーマでお伝えしていきたいと思います。
品質確保
マイグレーションの品質確保、言い換えると、どのようなテストを行うことによりマイグレーション後のシステムが正しく稼働することを確認するのかということになります。
マイグレーションは老朽化したハードウェア、ミドルウェア、ソフトウェアを最新化することです。したがって、新たな機能を作り込むわけではありません。現行システムの挙動と「同じ」であることをテストします。
例を挙げますと、入力の画面の場合、入力文字の属性・桁数、グリッドやスプレッドのあらゆる動作に着目したテストを行います。もちろん、テーブルの更新仕様についてもテストを行います。
このようなバリエーションを、現行システムとマイグレーション後システムで動作させ、「比較」します。この比較結果が「同じ」であることを確認することが、マイグレーションの品質確保の大前提となります。
現新差異
しかし、必ずしも「同じ」になるとは限りません。例えば、Windowsの仕様(主にデザイン)が変わってしまった、サードパーティ製品の仕様が変わってしまった、ということがあります。そうなりますと、
・計算機、カレンダーなどのデザインや挙動が変わる
・グラフの表現方法が変わる
という違いが起こってしまいます。このような違いがあったとき、都度お客様にご報告し、ご承認をいただきながらプロジェクトを進めていきます。
このように、やむを得ない現行システムとの違いをシステムズでは「現新差異」と呼んでいます。

テストシナリオ
まず、マイグレーションはプログラムコードを自動変換していることから、コントロールに着目したテストを行います。ボタン、テキストボックス、チェックボックス…などなど。それぞれの挙動・動作について確認します。
また、テーブルの更新、バッチの動作など、詳細は省略しますが、たくさんの観点に基づいたテストを実施します。
しかし、このような機械的なテストだけでは品質を確保することはできないとシステムズは考えています。
実際にお客様がどのようにシステムを利用しているのか?具体的には、お客様が業務でどのような手順で、画面を入力し、帳票を出力しているのか?これをお客様とともにテスト計画、テストシナリオに落とし込んでいきます。
この業務の流れに即した比較テストを行うことで、各段に品質は向上するのです。

まとめ
これまで、「システムの棚卸とスリム化」「VBマイグレーション時に検討するべきこと」と、そして今回「品質確保と現新差異」について、お話しさせていただきました。
ご覧いただいている方へ、マイグレーションがどのようなものなのか、どのように進んでいくのかを、少しでも知っていただけたら幸いです。 最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。