クラウドネイティブ時代におけるプラットフォームの選択肢【第3回 】
需要が高まっているクラウドサービス。本連載では、「国内外のクラウドベンダーの特徴や強み」や、「オンプレとの比較や懸念」、「マルチクラウド/ハイブリッドクラウドにおける特徴や構築例・懸念事項」など連載していきます。
大きく変化している昨今の情勢を受け、ますます需要が高まっているクラウドサービス。本連載では、クラウドの利点を徹底的に活用するべく、サービスのメリットデメリットを含め、詳しくご紹介します。
クラウドネイティブ時代におけるプラットフォームの選択肢と銘打って、「国内外のクラウドベンダーの特徴や強み」や、「オンプレミスとの比較や懸念事項」、「マルチクラウド/ハイブリッドクラウドにおける特徴や構成概要・懸念事項」など、計6回に渡り連載しています。
第3回目は「オンプレミスとの比較や懸念」について説明します。
第3回 オンプレミスとの比較や懸念事項
クラウドが拡大し一般的になる2007年くらいまでは、オンプレミスと呼ばれる「自社運用型」が一般的でした。オンプレミスとは「クラウド」との対比で、「自社の中で情報システムを保有し、自社内の設備によって運用すること」を指す言葉になりました。今回はオンプレミスとクラウドを比較し、それぞれのメリット/デメリットや懸念事項についてお伝えします。
オンプレミスとは
サーバーやソフトウェアなどの情報システムを使用者(ビジネス利用の場合は企業)が管理する設備内に設置し、運用することを指します。自社運用とも呼ばれます。
従来は一般的なサーバー運用形態でしたが、インターネットに接続されたクラウドコンピューティングといった外部のサーバーリソースをオンデマンドで利用する新たな形態が普及するにつれて、従来の形態と区別するために「オンプレミス」という言葉が使われるようになりました。
オンプレミスとの比較
オンプレミスでは、自社内で構築・運用するため、サーバー調達に期間を要すことや初期導入コストが高く、またインフラの管理・維持コストもかかります。インフラのリソースの拡張にあたっては、ネットワークやサーバー環境などが自社の設備に依存するため、変更作業には多くの時間とコストが必要になります。
一方で、すべて自社環境となるため必要なカスタマイズを自由に行うことができるメリットがあります。次表にてオンプレミスとクラウドのメリット/デメリットを見ていきましょう。
上記の表のとおり、クラウドは初期導入コストは安く早く環境を作る事ができます。その反面、構成的に制限があるためオンプレミスに比べ自由度が低いということになりますが、使い方次第で要件を満たした構成を作ることも可能です。
クラウド化における懸念事項
オンプレミスと比較し、各種メリットがあるクラウド構成ですが、懸念事項としていくつかの課題が挙げられています。クラウドサービスを利用することにより初期投資や運用投資を削減する効果があります。そのため、中小企業やスタートアップにとって、事業を行う際の要員や費用の面での投資のハードルが大きく下がっています。
このことから、これまで費用面で情報システムに投資が難しかった中小企業やスタートアップにおいても情報システムの導入が進むこととともに、大企業においても新事業への参入や新製品・サービスの開発が容易になることが期待されています。
企業におけるクラウドサービスの利用による効果がある一方で、課題も存在します。企業がクラウドサービスを利用する上での課題例を下表に示しました。
各種課題については、各クラウドベンダーの新機能やサービスにおいて対策されているものもあれば、個々に検討を要するものあります。
次回は「マルチクラウドにおける特徴や構築概要・懸念事項」について解説します。
クラウドネイティブ時代におけるプラットフォームの選択肢【第1回 】
クラウドネイティブ時代におけるプラットフォームの選択肢【第2回 】
クラウドネイティブ時代におけるプラットフォームの選択肢【第4回 】