「Contact Lens for Amazon Connect」機械学習による音声分析機能
機械学習による音声分析機能が話題の「Contact Lens for Amazon Connect」。今回は、これを活用したコンタクトセンターにおける通話内容の「文字起こし」や「感情分析」のデモンストレーションを当社で作成したので、ご紹介したいと思います。
コンタクトセンターの音声認識や感情分析が可能に
「Amazon Connect」は、あらゆる規模のビジネスに対応するオムニチャネルのコンタクトセンターを提供するサービスで、大きく次の5つの特長があります。
- 100%クラウドベースのオールインワンかつ従量課金のモデル
- セルフサービスでの設定変更が可能
- ダイナミックでパーソナライズされ、かつ自然なコンタクトフローが構築可能
- オープンなプラットフォーム……APIを使ってソフトフォンのカスタマイズが簡単に行えます
- AWSのエコシステム……各種ツールを取り揃え、それらを組み合わせることにより時間もコストも抑えたサービスが実現可能
「Amazon Connect」の追加機能である「Contact Lens for Amazon Connect」(以下、Contact Lens)は、2021年9月から日本語にも対応しています。Contact Lensは、機械学習による音声分析機能で、コンタクトセンターの通話内容をリアルタイムまたは録音から、文字起こしを行い、感情分析や文字検索を可能にします。
このContact Lensの実用性と利便性を確認するために、当社では設定から文字起こし、感情分析までを実現するデモンストレーションを用意しました。
設定から使えるまでは、わずか数分
まずはContact Lensの設定です。「ルール」を選択して「ルールの作成」をクリックし、Contact Lensを選択します。
起動条件の定義で「Contact Lensリアルタイム分析が利用可能」を選び、「エージェント」で分析対象のエージェントを選択します。ルール名を決めて最後に確認してルールを作成します。ダッシュボードからの設定からわずか数分でContact Lensが有効となりました。
では、設定したContact Lensを検証してみましょう。今回のデモは、当社が開発した受付システムを導入したお客様がサポートセンターに問い合わせをした際のオペレータとの会話を想定し、通話中の内容をリアルタイム分析するというものです。
お客様とオペレータとの会話が始まり、そのやりとりが画面に表示されています。感情もマークで表現されていることが分かります。このデモでは、お客様から操作とマニュアルに関する質問がありオペレータが答える、という内容のデモになっています。
お客様とのやりとりの中でトラブルを検知した場合は、管理者がオペレータにメッセージで指示を送ることができます。
お客様とのやり取りが終了しました。リアルタイム分析画面では、今までの会話の感情分析が行われていることが分かります。また、通話後分析では、顧客感情の傾向なども確認することができます。このデモンストレーションで、Contact Lensの機能や実用性を確認することができました。
通話内容の分析により顧客満足度の向上を
Contact Lensの活用においては、さまざまな利点があります。1つは、コンタクト中の状態をマネージャが把握して、適切なアドバイスをオペレータに送ることができることです。
2つめは、コンタクトの状態が自動で文字起こしされるため、記録として残しておくことができる点です。文字起こしの精度は若干不十分な面もありますが、日々その精度は向上しています。
3つめは、キーワードやセンチメントスコア、無言の時間など細かい条件で検索できる点です。このように会話を細かく分析することにより、「お客様に対して否定的な言葉遣いになっていないか」などを確認して顧客満足度向上を図ることができます。
コンタクトセンターでは、お客様が対応に満足しないケースが少なからず存在するのではないでしょうか。お客様との会話を分析して今後の対応に活かすことが、お客様の満足度を上げることに繋がります。
システムズでは、Amazon Connectを活用した受付システムを自社開発しています。タッチパネルを使用しAmazon Connect経由で担当者に通達するシステムです。Contact Lensを使ったコンタクトセンターとは異なりますが、電話を利用したシステムとしての利用範囲が拡がります。
多様なソリューションに応用できるAmazon Connectを利用してみたい、受付システムを構築したい、というご要望があればお問い合わせください。