Amazon Connectで問い合わせ音声のテキスト化/要約に挑戦!

Amazon Connectで問い合わせ音声のテキスト化/要約に挑戦!

1 オムニチャネルのクラウドコンタクトセンター

従来のコンタクトセンターには、ユーザインタフェースが使いづらい、構築後の変更が容易にできない、外部システム連携が困難といったさまざまな課題が挙げられます。電話だけではなくチャットなども含めたオムニチャネルコンタクトセンターをオールインワンかつ従量課金で提供する「Amazon Connect」は、こうした課題を一挙解決するソリューションだと言えるでしょう。

Amazon Connectの大きな特徴として、次の5つが挙げられます。

(1) 100%クラウドベース

電話回線やPBX機器のライセンスが不要、エージェント席数やログインユーザ数によらない完全従量課金、全国で共通化した業務を実施するクラウド・コンタクトセンター

(2) セルフサービスでの設定変更が可能

簡単な数ステップのセルフサービスセットアップでコールを受けることが可能

(3) ダイナミックでパーソナライズされかつ自然なコンタクトフロー

請求内容やその他の手続き状況を簡単に確認できる顧客体験を提供

(4) オープンなプラットフォーム

容易なデータ連携、ソフトフォン(CCP)と外部連携

(5) AWSのエコシステム

さまざまなAWSサービスとの連携、パートナー企業のソリューションとの連携

1接続1分あたりの完全従量課金で、電話番号も050や03も0120などが使えます。例えば、100席、33,000コール(IN 30,000 / OUT 3,000)の月額料金試算で1席約2,700円/月というリーズナブルなコストで利用できます。

2 経験のないユーザーが2週間で電話応答システムを構築

琉球銀行では、60 代の嘱託パート社員がこのAmazon Connect で支店の電話応答システムを構築、業務の効率化と顧客満足向上を実現しています。担当者はシステムの経験は皆無であるにもかかわらず、ゼロからの学習でわずか2週間で受電集中管理システムを構築しています。構築後は、1店舗当たり7~8時間程度の電話応対が不要となり、コスト面での絶大な効果に加え、これまで電話に追われていた行員が業務に集中できるようになった点でも高い評価を得ているようです (当社では2021年7月28日にこの事例を紹介するセミナーを実施しました)。
 

3 当社がトライした“社内の問合せ窓口の自動化”

当社では、Amazon Connectの研究を進めていく中で、収集した問い合わせの音声データを二次利用することをテーマに取り組みを進めました。まず、音声データをテキスト化し、大量のテキストからキーワード抽出を行う形で要約を行います。5分の1から10分の1程度まで文章ボリュームを削減させるイメージとなります。要約によってポイント抽出されたデータは、チャットボットや音声分析を行います。目標とする効果として、問い合わせ削減による社員の生産性向上、お客様および社員の満足度向上を掲げました。

活用例を2つご紹介します。Amazon Connectと聞くとコールセンターをイメージされるケースが多いと思われますが、簡単かつ低コストで構築できることを活かし、社内の問い合わせ窓口を自動化しました。下図は、当社の社員用問い合わせ窓口のイメージです。社内における各種の相談は、一度、窓口が応対して、内容に応じた担当者に電話を繋いでおり、窓口には専任担当者を配置していませんでした。

窓口を介することで、相談しづらかったり、テレワークの影響もありレスポンスが遅いといった課題もありました。そこで、Amazon Connectから直接、担当者に繋ぐ仕組みを作りました。これにより、相談内容のレスポンスが向上したことはもとより、チャットでの相談も併用し、誰でも気軽に相談できるようになりました。

 

4 音声データのテキスト化/要約

2番目の活用例は、音声データのテキスト化です。まず、利用者が問い合わせをした際、音声データはAmazon Connect経由でクラウド上に蓄積されます。録音された通話データはAmazon S3に格納され、テキスト変換されて、再度クラウド上に格納されます。テキスト化されたデータから、SumyというAIを用いてポイント抽出を行い、抽出結果をブラウザに表示するという流れです。

 

テキスト変換は、今回はGoogle社のSpeech-to-Textを採用しました。ここで、テキスト化の品質について、会話形式でのテキスト化で検証してみます。下図はテキスト化した内容です。句読点が出力されていないため、文章としては読みつらいのですが、カタカナや英字も判別され、概ね良好な結果となりました。

次に、このテキストからポイント抽出を行います。期待した抽出ポイントは、慶弔内容、連絡のポイント、連絡先、連絡内容の4点です。また、文字数や抽出アルゴリズムの違いで要約を2パターン出しています。要約パターン1では、対象者と連絡内容は表示されました。

慶弔内容についても、通夜や葬儀といったキーワードから類推可能です。要約パターン2のほうは、慶弔内容と対象者のみの抽出となりました。今回の検証では、会話形式ではポイントが適切に抽出されず、文書としても不完全な結果となり、当社が求めていた要約イメージには至りませんでした。AIが強化されることにより、近い将来、適切なポイント抽出ができる日が来ることを期待したいと思います。

また、ニュース配信からもテキスト化/要約を試行してみましたが、設定したキーワードがすべて抽出され、会話の場合とは異なり、レポートなど記事ベースの文章では要約精度は高くなることを実感しました。
今回のコラムでは、音声データからのテキスト化、要約でのポイント抽出まで自動で動かせる仕組み構築への取り組みをご紹介しました。会話型のポイント抽出では一部、人の手が加わるため、チャットボットや音声分析APIへの取り込みも手動での対応となります。今後は、ポイント抽出のAPIのチューニングを進め、適切な要約への落とし込み、自動でのチャットボット、音声分析APIへの取り込みを進め、それをサイクル化することでFAQなどのナレッジが自動で蓄積されていくよう、取り組みを継続していく考えです。

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広報担当