基幹システムのクラウド移行 事前検証(PoC)の勧め
既存の基幹システムをAWS基盤に更改する際、最初のステップはPoC(Proof of Concept:概念実証)になります。その際に課題なく移行することができるかを実際に検証する手法としてPoCが活用されています。
はじめに
2022年10月にデジタル庁が日本政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」(政府クラウド)として、「Amazon Web Services」(AWS)、「Google Cloud Platform」(GCP)、「Microsoft Azure」と「Oracle Cloud Infrastructure」が採用されたと発表され、日本でもクラウド基盤を活用することが当たり前になってきました。
お客様からの問い合わせにおいてもクラウド基盤前提のご相談が多数を占めてきており、クラウドの浸透が進んでいることを実感します。
既存の基幹システムをAWS基盤に更改する際、最初のステップはPoC(Proof of Concept:概念実証)になります。
※PoCの詳細は「オンプレミスからクラウド移行の第一歩 〜AWS移行時の不安払拭に有効策。事前検証としてのPoC〜」をご覧ください。
PoCはなぜ必要?
基幹システムは7年~10年程度のサイクルで更改されるお客様が多いのですが、その主な理由は基盤インフラのOSサポート切れやハード保守切れに起因しています。
直近ではWindows Server 2012が2023年3月にサポート終了を迎えます。また、商用UNIXにおいては技術者確保が難しくなってきた等での理由もよくお聞きします。
この様な業務システムもクラウド基盤化の流れに乗ってリフトしたいのですが、旧VerのOSやミドルウェアのままでは、単純な仮想化によるクラウド化はコストメリットを出すのが難しいこともあり、OSやミドルを新しくしたうえでクラウド基盤に移行することが多くなってきています。
その際に課題なく移行することができるかを実際に検証する手法としてPoCが活用されています。
PoCの進め方
クラウド基盤へのPoCは大きく以下の2パターンがあります。
パターン1(Iaas型)
・AWS EC2でOS・ミドル構築(最新Ver化)
・アプリをAWS基盤で実行できる様に改修し、検証
パターン2(Paas型)
・アプリをAWS Lambda基盤で実行できる様に改修し、検証
パターン2のPaas型がクラウドの恩恵を大きく受けられますが、まずはパターン1で検証を進めるお客様が大多数です。
PoCの効果
効果はクラウド基盤へ更改する裏付けができると同時に、クラウドサービスを実体験でき、ノウハウ蓄積面での効果があります。
PoC終了後、クラウドサービスの契約を終了してしまえば、余計な資産を保有する必要がない点も含め、解りづらいクラウドサービスを理解する上でPoCを実施するお客様が増えています。
直接効果
・自社システムがクラウドで動くことが証明できる。
(自社システムをクラウドで実行する場合の課題が把握できる)
・必要なクラウドサービスの種類、規模(コスト含む)が把握できる。
副次的効果
・理解しづらいクラウドのサービスを自社システムで試行することで、
サービスの特徴を具体的に把握できる(重要ポイント)
クラウド移行を検討中だが、どうにもCOBOLや商用UNIX、旧時代のjavaなど、レガシー環境のオンプレミスのサーバーが足かせになっている、といった場合においても、当社ではインフラの移行だけでなく、業務アプリケーションのソースコードレベル、あるいはRDBのSQLベースの改修を伴う移行のご提案が可能です。お問い合わせは下記よりお願いいたします。